在宅医療の診療スタイル

▸ 昼休み時間や休診日に往診を行う
▸ 週1回 外来患者が少ない曜日・時間帯に訪問診療を行う
など

外来診療の合間に訪問診療を始めるケースが多いのではないでしょうか。

 

► 外来で診ている患者さんからの求めに応じて臨時の往診だけを行う
► 月1回 訪問診療を行う
► 月2回 訪問診療を行う
► 施設基準は取得せず、平日の日中のみ訪問診療・往診を行う
► 在宅療養支援診療所、在宅療養支援病院の施設基準を取得し、24時間365日体制で行う
► 近隣の病院・診療所と協力体制を組み、機能強化型の連携体制で行う
など

近場の訪問しやすい方で、病状が安定している患者さんから訪問診療を始め、慣れてきたら気心の知れた地域の先生や訪問看護ステーション、ケアマネジャーなどと連携を図り、段階を踏んで在宅医療の範囲を広げていくと無理なく始めることができます。

 

 

訪問診療を始める前に必要なこと

○ 訪問診療の入り方・患者負担について説明し同意を得る
訪問診療を始めるには あらかじめ患者(家族)さんの同意が必要になります。定期的に訪問診療を行うこと、往診とは違うこと、患者負担のこと、同意が必要なことなどを説明し、同意書にサイン(患者・家族)をしていただき、カルテに保管します。最終的に在宅で 看取りを望むのか についても事前に確認しておくとイザという時に対応しやすくなるでしょう。

在宅時医学総合管理料(在医総管)や施設入居時等医学総合管理料(施医総管)を算定し、頻回に訪問診療を行うとなると、外来診療(診察+処方)と比べ 1カ月の患者負担額は少し増えることになります。後で会計の時に誤解が起きないよう、しっかり説明しておくことが必要です。(自己負担が増えるなら「頑張って通院します」という患者さんもいますので)

患者さんの疾患・身体状態・所得額によっては、公的医療保険制度〔限度額適用認定証(こちらのページ をご参照ください)、重度心身障害者受給者証、特定疾患医療受給者証、自立支援医療(通院精神医療)受給者証〕を利用することができ、患者負担を軽減することが可能となります。

 

○ 保険証の確認
自院に受診している方はすでに医療保険証を確認済だと思いますが、新規に訪問診療を依頼された場合、事前に医療保険証を確認しカルテの作成が必要となります。

要介護認定を受けている方は介護保険証の確認も必要です。65歳以上の方や40歳~64歳で介護保険の対象となる特定疾病がある方は、介護保険の申請をしていただくよう説明をしましょう。(高齢で通院困難な方の場合 介護サービスを利用することが必要となるため)

医師が居宅を訪問して行う計画的・継続的な医学的管理に基づく、介護支援専門員(ケアマネジャー)に対する居宅サービス計画の策定に必要な情報提供をすることで 「居宅療養管理指導費」(介護保険) を算定することができます。(こちらのページ 下段 基本的な診療報酬(3)をご参照ください)

*介護保険の認定を受けている場合、介護支援専門員(ケアマネジャー)が関わっていることが多いので、担当のケアマネジャーに連絡を取り、訪問診療をプランに組み入れてもらいます。

 

○ 前医の紹介状、薬剤情報
在宅医療に力を入れて行うようになると、ケアマネジャーや訪問ナースなどから依頼が来るようになります。

前医の紹介状(診療情報提供書)があるとよいのですが、遠方から転居してきて紹介状がないケースもあります。中には 「前医では在宅医療をしていない」 「前医から自院にこっそり変更したい」などの理由から、前医の紹介状を入手できないことがあるかもしれません。

紹介状がない場合、ご家族やケアマネジャーなどから、患者さんの状態・情報をあらかじめ聞いておくと診療がしやすくなるでしょう。

現在 服用している薬剤情報を見せていただくことで、初回から患者宅に訪問し処方を出すことになっても、その場で処方箋を交付することができます。その場で処方箋を渡すことができれば、後から処方箋だけ取りにきていただく手間が省けます。

近くの訪問薬局から薬を配達していただくことで、薬を取りに行く必要はなくなり、経口飲用栄養薬など重いものを運ぶ本人・家族の負担をなくすことができます。

 

○ 往診用バックの準備
・聴診器  ・血圧計  ・カルテ  ・処置材料  ・薬剤などを入れるバックが必要となります。

初めのうちは、外来診療とは勝手が違うため聴診器や血圧計、処置材料など持って行くのを忘れてしまいがちです。専用のバックがあれば 忘れもの を防げるのではないでしょうか。

 

○ 往診用自動車の準備
訪問診療を積極的に行っていると、近場の方だけでなく、少し遠方の患者さんの依頼も増えてくるのではないかと思います。訪問件数が増えてきたら「往診用自動車」が必要になります。

狭い道でも問題なく小回りが効き、分かり難いお宅でも探せるカーナビ付の車が理想ではないでしょうか。(カー用品店で安いカーナビを購入してもよいかもしれません)

 

○ 事前に患者宅の経路や通り道の状況を確認する
地図上の道路と実際の道路が違い、袋小路・一方通行・工事中などの通行状況を確認し、道路の渋滞を避け、ムダに時間をロスしないよう、道路状況に詳しいスタッフにあらかじめ聞くなどするとよいでしょう。

患者宅の駐車スペース有無の確認  マンションなどの場合、お客様用駐車スペースが確保できるのか事前に確認することが必要です。

 

○ 駐車許可証、駐車禁止除外標章の申請
患者宅に駐車スペースがなく道路に駐車せざるを得ない時のために駐車許可証、駐車禁止除外標章を取得しておくとよいでしょう。

駐車許可は、駐車せざるを得ない特別な事情がある場合に、申請に係る駐車の日時、場所、用務及び駐車可能な場所の有無等につき、審査基準に基づいた審査を行った上で、駐車場所を管轄する警察署長が許可をするものです。(警視庁ホームページより)

駐車禁止除外標章は、医師の緊急往診や身体障害者等が使用する車両が交付対象となります。

*申請手続きは、駐車許可を受けようとする道路の場所を管轄する警察署、交番、駐在所で行います。
*申請手続きの際、車検証、駐車場所の所在地・略図、運転免許証、医師免許証等の準備が必要となります。