なぜ「地域医療連携推進法人制度」を創設することとしたのか?

これから先人口の減少が進んでいくと、地域の病院・診療所相互間で患者さんの奪い合い、競争激化が起こると予想されます。そのため国は、競争よりも協調が必要であると考え、質が高く効率的な医療提供体制を確保するため、「地域医療連携推進法人制度」を創設することとしました。平成29年4月2日の施行まで あと8カ月と迫ってきています。

* この制度は医療と介護の両輪から地域を支えていこうとする仕組みになっていて、今までのような個々の施設間の競争から、グループ間の協調へと変わっていこうとしています。

 

 

「地域医療連携推進法人」が実施する業務

・医師・看護師等の共同研修、医薬品等の共同購入、資金貸付(基金造成含む)、関連事業者への出資、診療科(病床)再編(病床特例の適用)など 医療連携推進業務を行う。

・病院や診療所相互間の機能の 分担と連携 の推進を行う(介護事業などの連携も加えることができる)。

・医師の配置換え、救急患者受入ルールの策定、訪問看護等による在宅生活支援等を行う。

* 要件付きで、介護サービスなどを行う事業者に対する出資を可能とします。

 

 

「地域医療連携推進法人」に参加できる法人(社員)

・病院・診療所・老人保健施設を開設・運営している医療法人等の非営利法人が参加でき、社会福祉法人、公益法人、学校法人、国立大学法人、独法、地方独法、自治体等の非営利法人が参加できます。

・介護事業など地域包括ケアシステムを構築するための助けになる事業を行う非営利法人(サ高住、薬局等の非営利法人を含む)も加えることができます。

・基本的にはそれぞれの法人(社員)が一個の議決権を持つ。ただし、不当に差別的な取扱いをしなければ、複数の議決権を与えることができる。病床規模のある病院法人と診療所法人が連携をしたときに、傾斜的に議決権を設けることを妨げてはいません。

・法人化をしていない診療所、法人に寄付をした個人を社員として参加できるというような仕組みを考え、現在省令を作成中ですが、参加法人以外の社員として参加できる場合も検討しています。

 

 

都道府県知事から認定を受ける際の認定基準

・地域医療構想区域(原則二次医療圏)をベースにして病院・診療所等の連携を推進する区域を定めていること(おおよそ市町村単位がひとつの区域)。

ただし、地域包括ケアに資するという観点であれば、地理的要件、交通網など要件があれば二次医療圏を越えて連携することもできますし、場合によっては都道府県という範囲で組むということも妨げられてはいません。

・地域の関係者等を構成員とする評議会が、意見を述べることができるものと定めていること。

・参加法人の予算、事業計画等の重要事項について、地域医療連携推進法人の意見を求めるものと定めていること。

* 都道府県知事の認定は、地域医療構想との整合性に配慮するとともに、都道府県医療審議会の意見を聴いて行う。

 

 

この制度の最大の特徴

都道府県知事は、病院等の機能の分担・業務の連携に必要と認めるときは、地域医療構想の推進に必要である病院間の病床の融通を許可することができる

* 病床過剰地域について、地域医療連携推進法人の中であれば病床の融通ができます。(ただし、病床を増やすことはできません)

 

 

この法人に参加しないことの デメリット

・地域医療連携を進めている医療機関グループに差をつけられ、患者さんが流れてしまうおそれ。

・得意分野を持つ医療機関に差をつけられ、得意分野の強化、機能の分担ができないために、患者さんが流れてしまうおそれ。

・規模が小さいことによる不利性が増強するおそれ。患者さんや地域の方から認知をされるためにはかなりの影響力を必要とすることから、個人診療所や小規模病院の経営負担が増加(経営の弱体化)するおそれ。

・参加をしないことによるイメージ低下のおそれ。参加法人は、医療連携推進方針に沿った連携の推進が図られることを示すための標章の掲示を義務づけることが検討されていて、「標章掲示」が義務づけられると、連携をしている法人であることが客観的に患者さんや地域の方に分かることになるため、参加をしないことによって自院のイメージが低下してしまうおそれ。

などが考えられます。

 

 

【まとめ】

この制度について今のうち理解を深め、どことどこの医療機関が連携を組み、何を連携しようとしているのかを把握し、自院が優位な立場で運営をしていけるよう対策を立てて頂ければと思います。